美しき拷問の本

著者:桐生 操

発行:角川ホラー文庫

価格:500円

内容密度 ★★★  
マニア度 ★★★  
すごい度 ★★★  
怪しい度 ★★★  
お買得度 ★★★  
 サド、エリザベートバートリ、ネロ、ドラキュラなどが残していったサディスティックな拷問史を中心に、ジャンヌダルクやマリーアントワネットなどの処刑、はたまたその手段や経緯など、古代から中世にかけてのヨーロッパで行われてきた歴史的な拷問や処刑のあらましが簡潔にまとめられている。

 拷問の歴史を紐解いていくと、奴隷に対する穢れを取り除く儀式としての行為に行き着くらしいけど、拷問の歴史は宗教的な対立や権力の誇示、または罪と罰の歴史でもあって結構奥が深い。「いかに殺さずに苦痛を与えるか」っていう拷問法は、そうした長い歴史間の試行錯誤によって培われてきたもので、それだけにおよそ凡人には思いもつかない珍妙かつ残酷な手法も多い。

 たとえば、古代ユダヤ人に行われていた吊るし刑。ただ単に逆さ吊りにする刑は古くからあるけど、その両脇に犬も一緒に吊るすだけでエライ残酷な処刑に早変わりする。

 死刑囚と隣り合わせに吊るされた犬達はもちろん暴れる。ツメをたててひっかく。噛付く。ただでさえツライ逆さ吊の刑にワンワン達の爪歯攻撃が加わるんである。そんな護ワン協会の人達が知ったら卒倒しかねない拷問が、囚人が死ぬまで繰り返されたらしい。

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ソルボンヌ大学で歴史文学を専攻後、帰国して翻訳・評伝などで物書きとしてのオカルティックな才覚を発揮する桐生操(女性二人のペンネーム)の書き下ろし。ほかに『きれいなお城の残酷な話し』『美しき殺人法100』『美しき殺人鬼』『世界史悪女のミステリー』など多数。
【 ISBN 】4-04-193801-5
【 書 名 】美しき拷問の本 角川文庫
【 著 者 】桐生操著
【 概 要 】1994.7発行 \470/[寸法] 15cm A6(文庫)判/[頁] 236p/[重量] 160g/[書籍小包〒料金] \240
【 分 野 】日本文学/評論・随筆・その他
【 形態/対象 】文庫本/一般 [C分類] 0195
【 NDC 】204
【 取引コード 】0946
【 発行社 】(株)角川書店
 1997/10 putdown

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