テイク・ダウン |
著者:下村 務/ジョン・マーコフ 訳者:近藤純夫 発行:徳間書店 価格:1,500円 |
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ケビンについての本は『ハッカーを撃て!』や『ハッカーは笑う』など多くあるし、ネット上でもなんやかんやと騒がれ尽くしたので今さら珍しくもないけど、この本はケビンをとっ捕まえた下村務自身が著作に関与しているので取り上げることにした。
でもこの逮捕劇、『ハッカーは笑う』で話題となってケビン神話の続編でひと山当てたいと悶々としていたジャーナリスト、ジョン・マーコフ自身が作り上げたひとつの「物語」であることを知っておいてほしい。下村務 vs ケビンミトニックという構図や逮捕までのストーリーは、すべてマーコフの脚本といっていい。ケビン側にしてみればマーコフのダシにされたネタのひとつにすぎないのだ。 ブルース・スターリングもCEPの講演で、ミトニックよりももっと危険なハッカーがいるのに検挙しなかった当局はアホだ、と皮肉っている。つまりマスコミと捜査当局が手を組んだみせしめの公開処刑のようなもの。 私は個人的にケビンがたまらなくカワイイ奴に思えてならない。何度捕まっても懲りずにクラックを繰り返し、生涯誰からも好かれることのない彼は、悪質なハッカーというよりか万年大人になりきれない愛らしい子供にしか見えないからだ。 |
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1997/03 putdown |