天才ハッカー「闇のダンテ」の伝説

発行:文藝春秋

著者:ジョナサン・リットマン

訳者:桑原 透

価格:2,095円

内容密度 ★★★  
マニア度 ★★★  
すごい度 ★★   
怪しい度 ★★   
お買得度 ★★★  
 この本で主人公となるケビン・リー・ポールセンはスタンフォード国際研究所というモノモノしい仕事先でセキュリティー部門を担当していたという根っからのハッカー青年で、ハッカーの性から悲しいかなフリーキングにのめり込んでいた。パシフィックベルを中心にあらゆる交換機を手のうちにしていた彼は、盗聴を通じて政府の機密をはじめとする腫れ物に触れFBIを触発。適当な逃走劇の後逮捕されてしまう。といったストーリだ。

 もともと小説的な脚色がされているので技術的な表現が避けられ、ヒューマニズムに富んだ書き方をされていて(でないと売れない)、これは仕方ないことかもしれないが難を言うとすればハッカーを取り扱った本にしては本来プラットフォームであったはずのBBSやIRCなどネット上での暗躍ぶりや、彼の本質的なフリーキングの目的にはほとんど触れられていないのが残念。

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『FBIが恐れた伝説のハッカー』や本書でジョンマーコフの後釜を狙うジョナサン・リットマン著。さあ次のターゲットは誰だ。
なし
 1997/11 putdown
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