迷宮入り事件と戦後犯罪 |
著者:鎌田忠良 発行:王国社 価格:1,800円 |
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表紙もタイトルもシックでジジくさくていかにも硬そうな本だけど、書物は表紙で判断してはいけない。これが意外にも読ませてくれるんである。なにはともあれピックアップされてる事件が素晴らしい。誰も取り上げないが歴史に残る珍事件が多くて、たとえば今では伝説化しちゃった“ニセ夜間金庫事件”や、お母さんに脅迫状を書いてもらった爆弾魔“ウルトラ山田事件”の顛末なんて、この本以外ではめったにお目にかかれない。ねらってそのような事件を取り上げてる節はないようだが、なぜかそうしたオマヌケな知能犯罪が目白押し。
(※ニセ夜間金庫事件:昭和48年大阪で起きた未遂事件。犯人らは銀行に設置されている夜間金庫を壊し、その横にニセの夜間金庫をヌケヌケと設置。来客の現金袋を次々と投入させることにまんまと成功した。が、投入される現金袋の量がおもいのほか多く、投入口から袋がムリムリと溢れ出してきてしまい「なんだこりゃ」ということでニセものとバレてしまったという大阪ならではのマヌケな事件。未だ犯人は捕まっていない。と思う。) |
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鎌田忠良氏のルポ。チ−37号ニセ札事件や三億円事件など、今となってはあまり取り上げられないが興味深い都市犯罪の詳細が数多く収録されている。一般的にこのテの本は殺人事件中心になりがちだが、この本だけは知能犯に焦点をあわせている点が特徴的。 |
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1997/04 putdown |