現代犯罪百科

編集:杉山 浩

発行:双葉社

価格:550円

内容密度 ★★★★★
マニア度 ★★★★ 
すごい度 ★★★  
やすい度 ★★★★★
お買得度 ★★★★ 
 持っている人がいたら「なにそんな古い本出してきてんだ」と言われそうな本だが、これが結構濃い内容で、今改めて読んでみても楽しめる。出版が昭和61年なので取り扱われている事件は古くて読む気が失せるところだが、じっくり読めば550円の本とは思えないほど濃厚かつ広分野な知識が得られる。

 「犯罪学ノート」と題したページでは、専門家による検死や法医学の解説が簡潔にまとめられていて論文的な専門書にも退けをとらないし、数十ページに渡って表記されている「犯罪手口表」や「迷宮入事件表」などは今でも充分資料になる出来栄えだ。かといって堅苦しい記事ばかりでもなく「金庫破りの技法」、「スリのテクニック」、「刑務所での生活」のような、なかなか味のあるアングラでディープな記事も加味してあってからに、実に抜け目のない編集になっているんである。

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週刊大衆別冊。著者群は佐木隆三朝倉喬司下川耿史と大方ここで紹介している犯罪ジャーナリストの大御所はすべて網羅していて歴史を感じさせるが、それでいて偽札の解説やスリの手口などマニアックなネタも欠かしていない。個人的な好みの評価だが、内容密度はかなり高いといえる(入手困難)。
なし
 1997/04 putdown
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