テロ爆弾の系譜 |
著者:木村哲人 発行:三一書房 価格:1,800円 |
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著者の木村氏は幼い頃から爆弾大好き少年で、10代にして既に自分で爆弾を設計、火薬を調合し、爆発させていたというのだから周りには友達なんかいなかったと思われるが、それもそのはず、木村家は先祖代々の爆弾マニアで、一家団欒の食事どきに火薬調合のノウハウを語り合うような物騒な一家に生れ育ったのだから納得である。
その甲斐あってか20歳にもなるとめでたく日共軍事委員会からのお誘いがかかり、「研究費用はだすから好きなだけ爆弾作れや」という願ってもいない環境のもと念願の爆弾作りが山中の小屋の中でひっそりとはじまった。 ところがある日、木村氏は突如同志の手によって監禁されてしまう。四方八方の手を尽くして脱走を試みるが無駄に終わり、やがて死を決意して自殺してしまうが死に切れず、目を覚ますとそこは病院のベットの上。そしてそのときはじめて同志が公安のスパイであったことを知る……というようなB級小説ばりの波乱万丈な人生を送ってきたわけだが、この本はその軍事委員会にいた頃の告白を中心に、爆弾作りのノウハウ、爆弾の歴史なども併せてボソボソとしたゴニョゴニョが実に詳しく記されている。 |
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木村氏の爆弾へのこだわりは尋常でなく、かなりのマニアックさを伺え知ることができる。この本では『球根栽培法』『腹腹時計』などは「非実用的」と一笑し、さらにそれらの原形が実は公安からの流出資料であったことを暴露してみせた。爆弾の歴史や製造法のノウハウもかなり詳しく記されている。 |
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1997/04 putdown |