悪魔の飽食 |
著者:森村誠一 発行:光文社 価格:680円 |
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ここを覗いている人で七三一部隊を知ってる人がどれくらいいるか想像ができないけど、もしかしたら半分以上の人は知らないんではなかろうか。満州第七三一部隊(石井部隊)とは満州はハルピンに置かれた極秘の細菌戦部隊で、ペスト菌の兵器利用の研究や製造を一手にこなしていた特殊部隊。
問題は、それと並行して行われていた人体実験の数々で、反日運動などで捕われたロシア人や中国人の多くが七三一部隊の施設に収容され、約3000人に及ぶ捕虜が実験され、バラされ、焼かれていった。 実験といっても並みの生体実験じゃあない。麻酔で眠らせたまま内蔵をそっくり抜いちゃったり、手足を取ったりつけたり、血液の代わりに塩水を入れてどこまで生きているか実験したりと、おおよそ思いつく限りの人体実験が生きた人間に対して行われた。 この本は、身の毛もよだつその七三一部隊の極悪ぶりを刻銘にドキュメントアップしている。こうした事実を知らずにいる日本人でいてはイケナイ。 |
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森村誠一によるノンフィクションノベル。続編として『続・悪魔の飽食』があり、さらに深くまで七三一部隊の実体を暴いたことによって社会的波紋も大きく、この光文社版は糾弾されて今では入手不能らしい。ちなみに七三一部隊は戦後その資料をアメリカに横流しすることによって国家安全保障に擁護されたかたちで戦犯から逃れきった。 |
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1997/04 putdown |