踏み越えるキャメラ

著者:原 一男

発行:フィルムアート社

価格:2,400円

内容密度 ★★★  
マニア度 ★★★★★
すごい度 ★★★  
怪しい度 ★★   
お買得度 ★★★  
 『ゆきゆきて神軍』の奥崎謙三がこの夏8月20日をもってして無事出所を果たした。刑期が伸びるなどしてマスコミやファンをずっこけさせながらも「今度は新泉社の社長を殺す」「ゴットワールドを創造する」などと、まだまだスパークリングな元気さを残しているようなので当面は安心できそうだ。

 この原一男氏はその『ゆきゆきて神軍』をつくりあげたアクションドキュメンタリー監督である。彼がいなければ奥崎謙三の知名度は今ほどにはなかったし、やはり奥崎謙三=ゆきゆきて神軍だろう。奥崎謙三と原一男の接点を知るには『制作ノート』のほうが生々しいけど、ここでは原一男氏に敬意を表してこの『踏み越えるキャメラ』を紹介した。氏の人生と映画に対しての哲学が語られている唯一の書である。

(追記:この文章は1997年のものです)

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障害者を路上にほったらかしにして撮影した『さよならCP』。妻の出産を自らドキュメントアップした『極私的エロス』。井上光晴の生涯を追った『全身小説家』など、異端なドキュメント作品を世に輩出する原一男の手記。奥崎謙三の頭のなかではすでに『ゆきゆきて神軍2』が出来上がっているらしい。
なし
 1997/03 putdown
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